お店がキャッシュレス決済を導入すると、客単価が上がるのは本当か
キャッシュレス決済を導入することでの店側はどうなるか
キャッシュレス決済の世界が進んでいます。
消費税増税に際しての政府主導のポイント還元祭りでさらにその潮流が勢いづくでしょう。
今現在で言えば、例えばローソンでは平均で20%・首都圏は30%のお客さんがキャッシュレス決済です。
意外と少ない印象です。個人的には6割くらいはキャッシュレス決済じゃないのかなと思っていました。
多分、僕自身のコンビニに行く時間帯やビジネス街にある店舗によく行くからかも知れませんが。
おそらく首都圏や大阪などでも、ビジネス街中心部ではもう半分を超えている店舗や時間帯があるのではないかと思います。
店側のデメリット
さて、このキャッシュレス決済。店舗など企業側にとってはそれほどメリットがありません。
デメリットは明白です。
決済事業者に払う決済手数料です。売上の約3.5%前後の事業者が多いです。
飲食店のランチなど、利幅が狭い商売ではとても負担が重くのしかかります。
あと、売上金の入金が後日になるということです。最短で翌日という事業者も出てきていますが、条件が色々限られます。
では店側のメリットは??
これに対してメリットと主張されることとして、まず現金を扱うことによるリスクは避けることができるというものがあります。
例えば、
・売上金の勘定&記録とのすり合わせによる労力&人件費(1日1時間とか)
・強盗
・店員による窃盗
などが避けられます。
しかし、これはこれまで日本がずっとこれまで経験してきたことであり、近年そのリスクが急上昇しているというような事実はありません。
加えて、完全に現金取引がなくならない限りこのリスクがゼロになることもありません。
したがって、これらを店側のメリットとしている論調はあまり説得力がありません。
キャッシュレス決済で客単価が上がるという話しは本当か
そのほか魅力的に聞こえる店側のメリットに、キャッシュレス決済になると客単価があがり儲けが広がるという主張があります。
実際、マサチューセッツ工科大学が「クレジットカードで決済すると、支出の現実感が薄れるため支出機会が増加し、1回あたりの支出においても現金よりも多くのお金を使う可能性が高くなる」という実験結果を公表しています。
また精神科医のデビッド・クルーガー博士の著書『「お金」のシークレット―人生を変える“感情”と“お金”の法則』の中で、クレジットカード決済は23%支出が増えると書かれています。
それに加えてお客がたまたま限られた現金しか持っていない・小銭がなく大きいお札も崩したくないというような心理も払拭できることも想像できます。
また外国人客に主流のクレジット決済の機会損失を防げるといったメリットもあります。
そう考えるとお店側のメリットもありそうですね。
ただこれらの主張もあくまでアメリカの話しですので100%鵜呑みにするわけには行きません。
そして、どのような結果になってもキャッシュレス決済の世界へ向かう方向は変えられないので、店舗など各企業は希望を持ちつつその効果を期待するしかありません。