カーシェアリングって本当に伸びているの?? タイムズカーシェアの値上げが痛い

 カーシェアリングはシェアリングエコノミーの一貫じゃないかも?

最近カーシェアリングの車が停まっている駐車場を見る機会が増えてきました。感覚としては3~4年前くらいからぐっと増えてきた感じでしょうか。

業界最大手の「タイムズカーシェア」を運営するパーク24は昨年会員数が100万人を突破しました。シェアは75%程。リパーク駐車場に置いてある三井不動産のカレコ、オリックスカーシェアが続きます。それぞれ10%ほどしかないので、カーシェアの会話が出れば基本はタイムズのことと言っていいでしょう。

シェアリングエコノミーという言葉が飛び交うようになって久しいですが、実際日本の文化的に根付いているんでしょうか。

個人的にはそれほどなんじゃない?って感じがしています。好きな人がやっているという趣味の領域にまだ近い気がします。


ホントのカーシェアリングじゃない

このカーシェアリング、厳密に言えばタイムズなどは法人が車を所有しているので、個人の遊休資産を使い合う本当の意味でのシェアリングではありません。

そういう意味ではDeNaのAnyca(エニカ)というカーシェアリングのサービスが、まさにカーシェアリングに近いですが、これもまだまだ趣味の域を出ない感があります。また、借りる側というより、貸す側の副業的なニュアンスのほうが大きいんじゃないかとも思います。

さて、タイムズの話しです。かく言う僕もタイムズの会員です。
比較的初期の頃の会員だと思います。

その頃から考えると、街でステッカーを貼った車を見る機会や、借りたくても借りられない機会が増えた気がします。そういう事があると実際日本で広がっているなと思います。

何年経ってもみんながカーシェアリングを使っている気がしない

ただ、レンタカーしかなかった時代からこのようなカーシェアの世界に移って、これからすごい時代がやってくるなぁと思ってはいたけれど、数年たった今それほど周りは変わっていません。

僕個人も、「タイムズ借りまくっているぜ」とか全然ないし、自分の周りも「車売って毎週タイムズだよ」とか聞きません。多分人数で言えば確実に増えてはいそうですが、日本にカーシェアリングの文化が根付いたとは全然思いません。

実際伸びが鈍化していてそろそろ業績が頭打ちになってきています。

どうしてでしょうか。個人的な推察では、

乗らない理由
・車に乗る人は相変わらず車を所有して乗っている。
・車に乗らない人は必要性が無いのでやっぱり乗らない。

これが本質で、これまで伸びてきた理由は

・基本車には乗らないけど、その時だけ乗る機会が必要な場合に臨時で借りる人を掘りあてた。
・法人が経費削減のための自社所有の車をやめてカーシェアに移った


でしょう。法人のシェアはこれからも一定期間は確実に伸びるでしょう。
ただ、個人の伸びはそろそろ停滞していると思います。一周して飽きが来た上に、臨時でしか借りません。

そして、そこへ来て来月から(個人的には大幅な)値上げです。

 

多分ユーザーが一番触ってほしくないところを封殺してきた感のある値上げです。僕的にも痛い。


シェア1位がこれをやると大儲けできる可能性もありますが、間違うと業界全体が冷え込みます。

シェアリングビジネスは基本いわゆる貧困ビジネスです。貧困ビジネスは、値上げには細心の注意を払わなければなりません。

パーク24は、2020年までに3万台を目標に積極的に新規設置攻勢を掛けています。閉鎖ステーションも増えていますが、新規の勢いはすごいです。ライザップにならないかちょびっと心配です。

カーシェアリングはとても便利な手段ですが、駐車場が突然閉鎖になってホテルが建ってしまうなど流動性も高く、まだまだ社会インフラになったとまでは言えないでしょう。