消費税増税の本丸、幼児教育・保育無償化がよく考えたら腑に落ちない話し

保育無償化は本当に必要なのだろうか

いよいよ消費税増税が近づいてまいりました。

安倍政権がかかげる「人づくり革命」の一環として、消費税増税の増収で上積みされる約5兆円のうち約半分が「幼児教育・保育無償化」にあてられます。

 

少子高齢化。人口減少に歯止めがかからない。日本の未来が見えない。衰退が始まっている。などと毎日ネガティブな情報に触れる機会がたくさんあります。

そういうニュースの中にあって、保育無償化は明るい未来への投資のような気がします。子どもは可愛いし、国にとっての財産だ。だから増税もしょうがないよねという気分にもなります。

 

ただ、立ち止まってよく考えてみると、本当にそうなのでしょうか。


保育料は実はそんなに負担ではない

現在幼稚園・保育園・こども園に通う年齢の子がいる世帯は全世帯の10%にも満たない割合ですが、保育無償化によってその世帯に経済的な恩恵があるのは間違いありません。


保育料は、以前から世帯収入によって段階的に利用料が違う金額が適用されています。それを応能負担と言います。

そのシステムでは所得が低い世帯ほど保育料が安くなり、住民税非課税世帯では現在でも無料です。公立施設は市町村・都道府県自治体が全額補助。私立も国と自治体が半分ずつ負担しています。

ある程度の収入があるボリュームゾーン世帯はほぼ保育料が1.5万円~2.5万円に収まります。もちろんそれを安いと見るか高いと見るかは各家庭の置かれている状況にもよりますが、実際それで幼稚園・保育園に通えないという子どもは限りなくゼロに近いのです。


子育て支援の根幹にある思想は第一に現在教育を受けられない人に教育を受けさせようという考えのはずです。しかし現在貧困により幼児教育を受けられない子どもは実際ほぼいません。

一番守られなければならない世帯に負担をかけてしまうことになる

一番の問題は、現在無償で我が子をこども園などに通わせている世帯が、消費税増税で負担が増えてしまうことにあります。また補助の適用がない給食費など、施設利用に付随するその他の費用の負担が増える可能性もあります。


現在教育を受けられている子供は変わらないのに、親の負担が増えるという本末転倒な側面が見過ごされています。

消費税増税による保育無償化の恩恵を受ける世帯はまだとても幸せな世帯なのです。